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【universe】
勝手に詩集『ウチュウッポイノ』

☆☆☆

プラネテス planetes

あれは遠い日のこと 僕らは真夜中に
街を抜け出して 綺麗な海へと出かけた

満天の星空に 僕らただ黙り込んで
何処にも居なくて 誰でもないフリをした
流れ星見つけたよ 指差す暇も無く
生まれた刹那に すぐに消えてった

もう輝かない石ころは 海へと放って

新しい星になった それは誰にも見つけられない
六等星の秘密のポラリス 君だけが位置を知っている


あれは遠い日のこと それぞれの旅に出た
何処にも隠れれず 僕は僕になった
流れ星気付かない 見上げる暇も無い
生まれた意味は すぐに見失うのさ


だからこそ輝くのさ 誰かに見つけてもらいたくって
誰もがきっと彷徨うプラネテス 自分と言う名を与えられて

失った記憶もちゃんと 長い旅を越えて此処にある
六等星の秘密のポラリス 君だけは位置を忘れないで

君だけは位置を忘れないで





イグニッション ignition

そしてまた君は 飛び立つ宇宙船に手を振って立ち尽くした
また会おうね。って約束も 端から果たせないと諦めてる

そして頭上には 何事もなかったように空っぽが戻ってきて
小さな君を置き去りにして 世界に蓋をして閉じ込めた

さよなら宇宙船 君は地べたを這いずり回っては
どこへも行けない理由を 必死に用意するのさ


いつでもポジティブで元気な 友達をいつも誉めて称えた
君はプラスの影に紛れて マイナスになってかくれんぼ

いつでも勇敢で人気者の 友達がずっと羨ましかった
マイナスばかり群れて 掛けてプラスになれれば世話ないけど

もうダメなんだ。とか 諦めてしまおう。とか
君が君自身を陥れようとする 呪いの言葉たちも
実は君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の推進剤
燃やして灰になれば マイナスもプラスも区別はつかないぜ


ここに居たくない。って でも何処へも行けやしない。って
君を押さえつけてた 矛盾という名の重力の反動こそが
君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の原動力
空はいつだって開いている 探しに行こうぜ

この広い宇宙でたったひとつだけの
君の名を冠した星に





ストレイスター stray star

似たような願い事ばっか おんなじ棚に飾られるなんて
うんざりだって 凡人なりの誇りを掲げても

寝転がって見上げた星空 期待なんてしちゃいないけど
流れた星に向かって 心の中で手を合わせてた

あの日拝んだ流れ星は
きっと君の為のものじゃなかっただけのことさ

誰も彼も笑い飛ばす 君の夢を叶えるのは
流星雨の群れを離れ 闇夜を泳ぐはぐれ星


安売りの感動に群がり おんなじ顔で泣き笑うなんて
出来なくて 誰も聴いちゃいないような歌を歌う

自分という物語には いつだって期待をしていたい
例えばそれが 思わせぶりで終わり続けても

あの日打ち切られた物語
きっとまだ終わってなんかいないだろう

誰も彼も見向きもしない 君の歌う新しい歌も
いつかきっと分かってくれる それがたった一人でも

誰も彼も笑い飛ばす 君のことも見ているのさ
流星雨の群れを離れ 闇夜を泳ぐ名前の無いはぐれ星





ミルキーウェイ milky way

この川は誰かの涙 止め処なく流れる悲しみ
水面に浮かぶ星屑は 叶わず散った誰かの願い

掬おうしても 指の隙間から逃げてゆくの


彼方の君の笑顔さえ 思い出せそうな綺麗な夜には
心の痛みを歌にして 遠い空へ向けて巻き散らした

船を漕ぐ 向こう岸まで

きっときっと 渡り切ってみせると
約束交わして 過ぎ去った日々
絶えず絶えず 僕は君を目指して
暗闇を泳ぐ 流れ星


この雨は君の涙 止まずに降り続く悲しみ
雲間に隠れた星屑は 叶わず散った僕の願い

強い風が吹いて 壊れてしまった僕の船

ずっとずっと 進んできたけれど
約束残して 消え去った光
いつか叶えと 強く願ってきたのに
向こう岸は 遥か遠く


悲しみは冷たく 沈まぬように水を掻く

それでもそれでも もがき続けるのだ
願いに底は無い 天の川よ
どうかどうか この思いだけでも
君の町に 降り注ぐ星となれ





コールドスリープ cold sleep

足元から少しずつ 冷気が這い上がってくるのが分かる
滑稽なことだ それが自分の温かさを思い出させてくれる
丸い窓には 吐き出したため息が凍り付いて張り付いた
その向こう側から 誰かが覗き込んでいるようだ

長い長い旅に出る 僕はここに寝転がったままで
いつの日かちゃんと 目覚められますようにって
願いを込めて目を閉じるよ


心臓の音がよく聞こえる 僕が生きているのは確かだ
しかしそれももうすぐ 聞こえなくなってしまうんだ
僕の身体は凍り付いて もうすぐ動かなくなってしまう
たったひとつ その真ん中に温かなままの心を保存して

長い長い旅に出る 僕はここに寝転がったままで
いつの日かちゃんと 目覚められますようにって
願いを込めて目を閉じるよ


いつの日か こんな僕でも必要になる時が来るなら
その時は また僕を起こしてくれよって
丸い窓の向こう側に居るであろう 君に言う
僕と同じ姿形をした 君に言う


僕の身体は凍り付いて もうすぐ動かなくなってしまう
たったひとつ その真ん中に温かなままの心を保存して

僕はここに居るよ ずっと生きている





クレーター crater

懐かしいね ここは君が終わった場所
同時にさ 始まった場所でもあるんだ
信じられるかい ここに確かに君は居たんだ
最後の最後まで 色んなもの守ろうとしてた

消えないでよ 何度も空に放った
祈りは果てしない 夜をいくつも越えたけど

静かだった空を 見たこともない光が
強く照らして とても綺麗だったけど


懐かしいね 時間は巻き戻ってゆく
終わることのないパーティーさ 騒がしい毎日
歌う意味を ここで確かに教わったんだ
それは昨日のように 思い出せるんだ

砂になった記憶を 手のひらで掬って
風の中に散らせば まだ無邪気な歌が聴こえる

お気に入りの場所は 今までたくさんあった
いつだってそう お終いには全部壊されて
さようならさ 降り注ぐ星に見とれてた
それは君に 大きな穴ぼこを残したよ


今でも この胸に
いつでも

痛かった記憶は 少しだけあるけど
いつだってそう お終いには優しさだけが残るの
ぽっかり開いた穴ぼこの淵で 歌ったんだ

さようならさ 降り注ぐ星に見とれてた
そして君は 新しい旅に出たんだ





ラッキースター lucky star

暗闇にまぎれて 人知れず夢を見る
誰にもバレなきゃいいやと
喋らないで終わらせる ひっそり心の奥で
勝手に決着をつけて

後に残るものは空しさだけ それが積み重なって
取り囲まれて途方に暮れる頃

「こんなはずじゃなかった」 そんな短い言葉が
はじめて音をまとって零れた


そして君は歩き出す 空っぽの心に
たったひとつ誓いを詰め込んで
誰も気付くことはない 君だけの戦いが
ここであったこと

にぎやかな街の向こう側から 聴こえてくるのは
君を知ろうともしない 馬鹿な奴らの声

「君は君のままでいい」 なんて誰かが言ってても
もう胸張って 信じてる場合じゃないのかも
優しさばかり着飾った うわべだけの言葉だけで
簡単に片付けられるような 日々じゃないよな


ほらもう夜は明けはじめてる
君だけが見届けた終わりとはじまり

「君は君で笑っていて」 そんなきれいな言葉も
もう擦り減って 頼ってる場合じゃないけれど
心の奥に最後まで ほのかに残る温もりを
抱きしめてまだ歩けるよ 君だけが見つけた光の射す場所まで





ベイビースター baby star

ひとり部屋にうずくまって 灯りという灯りをすべて消すと
明るい世界に すっかり目が慣れていたせいで
その刹那 僕は自分の手のひらの位置すらすぐに見失った
僕はここに居ながらにして 宇宙へと旅に出たのだ

いわゆる本当の僕ってやつは 何処かに置き忘れたっけな
かつて暮らしていたあの街で 雨粒に濡れて震えているか
もしやあの人に預けたまま 返してもらってないのかもしれない
邪険にされてないとよいが 願わくば残っていてほしいが

人は生きているだけで 与えているのだという
ともすれば それは受け取っていることと同義だ
それならば 僕は僕が受け取ったものをどうしたのだろうか


いつかあの海で見上げた夜空 星々は犇めきあって輝いていた
互いに寄り添い合っているように そんな風に見えたけど
その実きっと 星々の間には途方もない隔たりがあって
互いに出会うことなど 以ての他ないことなのだろう

繋がっているように思えて 全く以て浅かったのだ
誰彼の名がゲシュタルト崩壊し始めた そこではじめて気がつく
僕らもあの星と一緒なのかもしれないと


たまらずに僕は暗闇の中を探した
何処かに光はないものか!
ディスプレイに散らばるSNSやブログの中
何処かに光はないものか!
片付かないままの引き出しの中
何処かに光はないものか!
かつて書きなぐった詩集ノートの中
何処かに光はないものか!

何処かに光はないものか!


人は生きているだけで 輝いているものなのだと
ともすれば 僕だって輝いていることと同義だろうか

どんなに与え続けても どんなに失い続けても
決して完全に消えることはないのだ そんな光のことを
僕たちは"心"と呼んだ 生きとし生けるすべてに宿った
途方もなく広い宇宙に浮かぶ 微かだが確かに輝く赤子の星の名だ

☆☆☆

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