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【cold sleep】
コールドスリープ

足元から少しずつ 冷気が這い上がってくるのが分かる
滑稽なことだ それが自分の温かさを思い出させてくれる
丸い窓には 吐き出したため息が凍り付いて張り付いた
その向こう側から 誰かが覗き込んでいるようだ

長い長い旅に出る 僕はここに寝転がったままで
いつの日かちゃんと 目覚められますようにって
願いを込めて目を閉じるよ


心臓の音がよく聞こえる 僕が生きているのは確かだ
しかしそれももうすぐ 聞こえなくなってしまうんだ
僕の身体は凍り付いて もうすぐ動かなくなってしまう
たったひとつ その真ん中に温かなままの心を保存して

長い長い旅に出る 僕はここに寝転がったままで
いつの日かちゃんと 目覚められますようにって
願いを込めて目を閉じるよ


いつの日か こんな僕でも必要になる時が来るなら
その時は また僕を起こしてくれよって
丸い窓の向こう側に居るであろう 君に言う
僕と同じ姿形をした 君に言う


僕の身体は凍り付いて もうすぐ動かなくなってしまう
たったひとつ その真ん中に温かなままの心を保存して

少し眠るよ ずっと生きたままで


JUGEMテーマ:
【stand by me】
僕たちの冒険
 
年甲斐もなく夜更かしをして 寝ぼけ眼で
真夜中にやっていた とある映画を見たんだ
汽車にはねられて 死んでしまった青年の死体を
探す冒険に出る 心に穴を抱えた少年四人のお話

僕が子どもの頃に見た映画で 懐かしく見ていたんだ
もう何度も見た映画だから 内容はもう覚えてしまって
次の展開その次の展開 全部先読みすることができるけど
見るたびに感じることが変わってくる 不思議な映画だった

色々なことを思い出す そんな映画を見た子どもの頃
幼い僕たちは 心躍るような冒険に憧れていた
あの頃の僕たちにとっては 全てだった小さな町
心に隙間ができないように いつだって何かを探してた

排水溝のトンネルに 潜り込む冒険がある時流行った
誰が一番奥まで行けるのか その勇敢さを競い合っていた
そしてついに 最奥までたどり着いた勇者が現れて
その勇者はこう言った 「一番奥にアメーバ星人が居た!」と

なんのこっちゃ 嘘だろうって当時の僕は思ったけど
勇気がなくて 結局僕は最奥まで行くことができなくて
確かめることができないまま 冒険は終わりを迎えた
ひょっとしたら本当に居たのかな アメーバ星人は

僕の小さな町には UFOがよく目撃されることで
ちょっとした有名だった そんな時に限って僕たちも
誰の目撃談が一番リアルか 競い合っていたし
誰が言ったか 山の向こうにUFOの秘密基地があるらしかった

誰の冒険が一番勇敢か 誰の話が一番わくわくするか
競う合う中で ランキングをつけられてしまう気がした
ひとつの冒険が終わっても また次の冒険を探した
そうやって繰り返し続けて 気づけば大人になっていた

誰もが旅立った後の 誰もが居なくなった町に
取り残されてしまった いや違う、そうじゃないんだ
自分で残ったんだ 年甲斐もなくそう言い続けている
そうやっていつまでも 何かを待っている人たちがいる

そしていつか気が付くんだ 冒険ってのはつまり
遠くに行くことなんかじゃなく 不思議を探すことでもない
ごくごく繰り返しの毎日でも ありふれた日常に潜んでいる
自分を探すこと つまりその日常そのものなんだと

レールの上を歩いた少年たちは やがてゴールにたどり着いた
その果てで気が付いた答えは 最初とは違っていた
それは期待した答えとは違って なんだったんだって思うけど
それでもちゃんと また歩き出しで家に帰ったんだ

もしも僕たちの冒険も そういうものなのだとしたら
どこかにある本当の答えを 探し続けなければならない
アメーバ星人の真偽を UFO秘密基地の在りかを
本当の自分とは何者なのか 生きる意味とは何なのか

寝ぼけ眼で見ていた 映画はいつしか終わりを迎えた
素敵な歌とともに 冒険は終わったんじゃなくて
きっと四人の少年は また新しい冒険の旅に出たんだ
それはきっとまた別のお話 誰にも知られることはないお話

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【cockroach】
ゴキブリ

お集まりの皆さま方、この度は、日本G研究学会シンポジウムにお越しくださいまして、誠にありがとうございます、G研究学会会長の、五木田振夫でございます。

我々、G研究学会、通称G研は、皆さまはもうすでにご承知かと存じますが、皆さまの忌み嫌う生き物である、ゴキブリについて日夜研究しております。言わずもがな、G研の"G"とは、ゴキブリをローマ字表記したその頭文字を表しております。

学会が発足した当初は、"日本ゴキブリ研究学会"を名乗り活動しておりましたが、この名前があまりにストレートすぎた為、気分を害する方が多く居るとのクレームがございまして、学会名の改名に至ったという経緯がありました。


さて、本日のシンポジウムの主題は、【ゴキブリのワープ行動と、その応用の可能性について】でございます。専門的な話に関しては、後の者の発表に任せることとしまして、私は簡単に概要を述べさせていただきたい所存でございます。


ゴキブリが地球上に生まれたのは、今から3億年も前になります。それだけ大昔から存在していたにも関わらず、絶滅することなく存在しているとは、驚異的な生命力と言えます。しかも、あまりその姿形は変わっていない、ということにもまた、驚嘆せざるを得ません。

皆さまも、ご経験お有りかと察しますが、日頃の生活の中で、思わぬところでゴキブリに出くわすことがあります。台所、トイレ、お風呂場、自室など、至るところに、いつの間にやら、どこからともなく出現します。誰もが驚き、気分を害する瞬間だと察します。

さらに、素早い動きの貴奴ら、駆除しようにも、我々はその姿をすぐに見失ってしまいます。まさに、煙を巻いたように、あっという間に消えてしまうのです。

我々は、このような貴奴らの行動の中に、ワープ行動の可能性を見出だすことに成功しました。簡潔に述べますと、ゴキブリは移動手段として、ワープ行動を行っているのです。つまり、瞬間的に、離れた地点を自由に行き来することができるのです。突然どこからともなく現れたり、かと思えば急に居なくなったりする、その実態はワープ行動だったのです。これを我々は、"Gワープ"と名付けました。


ご存じの方もおられるかと存じますが、ゴキブリの生態として、窮地に立たされた時に、そのIQが300を越えることが知られています。このことは、人間のIQの限界値がおよそ160であることを踏まえると、それを遥かに凌駕する、驚異的な数値であることがお分かりになることでしょう。

この辺りは、未だに解明されていない部分も多く、追って研究している次第でございますが、我々の見解は、一時的なIQの爆発的な跳躍が、ゴキブリの脳に何らかの影響を及ぼし、瞬間的にGワープを可能にしているのではないか、というものです。

人間の脳みそは、その10パーセントしか使われていないと言われています。ゴキブリに関しても仮にそうだとするならば、急激なIQの上昇は、その脳のリミッターを外す役割を果たしているのではないかとも、我々は考えております。

ともすると、このGワープの原理が解明されれば、同じ脳をもつ生き物であります、我々人間にも応用できるのではないでしょうか。我々は、その可能性に大いに期待をしつつ、一刻も早い解明を急いでいる所存でございます。


我々は、まず声を大にして言いたい。

Gワープは、あります!

本日は、Gワープに関して、我々の日頃の研究の成果を、余すところなく発表していきます。まずは、貴重なGワープの瞬間を収めた映像を、皆さまにご覧になっていただきます。それでは、前方、大スクリーンにご注目ください。
【baby star】
ベイビースター

ひとり部屋にうずくまって 灯りという灯りをすべて消すと
明るい世界に すっかり目が慣れていたせいで
その刹那 僕は自分の手のひらの位置すらすぐに見失った
僕はここに居ながらにして 宇宙へと旅に出たのだ

いわゆる本当の僕ってやつは 何処かに置き忘れたっけな
かつて暮らしていたあの街で 雨粒に濡れて震えているか
もしやあの人に預けたまま 返してもらってないのかもしれない
邪険にされてないとよいが 願わくば残っていてほしいが

人は生きているだけで 与えているのだという
ともすれば それは受け取っていることと同義だ
それならば 僕は僕が受け取ったものをどうしたのだろうか


いつかあの海で見上げた夜空 星々は犇めきあって輝いていた
互いに寄り添い合っているように そんな風に見えたけど
その実きっと 星々の間には途方もない隔たりがあって
互いに出会うことなど 以ての他ないことなのだろう

繋がっているように思えて 全く以て浅かったのだ
誰彼の名がゲシュタルト崩壊し始めた そこではじめて気がつく
僕らもあの星と一緒なのかもしれないと


たまらずに僕は暗闇の中を探した
何処かに光はないものか!
ディスプレイに散らばるSNSやブログの中
何処かに光はないものか!
片付かないままの引き出しの中
何処かに光はないものか!
かつて書きなぐった詩集ノートの中
何処かに光はないものか!

何処かに光はないものか!


人は生きているだけで 輝いているものなのだと
ともすれば 僕だって輝いていることと同義だろうか

どんなに与え続けても どんなに失い続けても
決して完全に消えることはないのだ そんな光のことを
僕たちは"心"と呼んだ 生きとし生けるすべてに宿った
途方もなく広い宇宙に浮かぶ 微かだが確かに輝く赤子の星の名だ
【ignition】
イグニッション

そしてまた君は 飛び立つ宇宙船に手を振って立ち尽くした
また会おうね。って約束も 端から果たせないと諦めてる

そして頭上には 何事もなかったように空っぽが戻ってきて
小さな君を置き去りにして 世界に蓋をして閉じ込めた

さよなら宇宙船 君は地べたを這いずり回っては
どこへも行けない理由を 必死に用意するのさ


いつでもポジティブで元気な 友達をいつも誉めて称えた
君はプラスの影に紛れて マイナスになってかくれんぼ

いつでも勇敢で人気者の 友達がずっと羨ましかった
マイナスばかり群れて 掛けてプラスになれれば世話ないけど

もうダメなんだ。とか 諦めてしまおう。とか
君が君自身を陥れようとする 呪いの言葉たちも
実は君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の推進剤
燃やして灰になれば マイナスもプラスも区別はつかないぜ


ここに居たくない。って でも何処へも行けやしない。って
君を押さえつけてた 矛盾という名の重力の反動こそが
君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の原動力
空はいつだって開いている 探しに行こうぜ

この広い宇宙でたったひとつだけの
君の名を冠した星に
【leap day】
うるう

ここは終わりと始まりを 繋ぎ合わせる世界
ぽつんと取り残された月が 朝の空に張り付いていた
僕もあれと同じだって 見上げてひとり笑っていた
自分が何処から来て 何処へ向かうのか分からないまま

そうしてたどり着いたのは 存在するはずのない一日

つじつまを合わせるだけの 意味の無い今日だって
確かなことは まだ見ぬ未来へ繋がっているってこと


壊れた時計塔の頂で ひとり街の風景を見下ろして
陽が昇るのを待ち続けた だけど明けることは無かった
時間に置いてゆかれて 何処にも行けなくなっていた
自分が何処から来て 何処へ向かうのか決められないまま

寂しい顔で覗き込んだ 鏡の向こうの本当の顔が言う

大丈夫だよ大丈夫だよ 今に全部元に戻るからって
壊れていた時計の針が 少しずつ音を立て回りはじめた


つじつまを合わせるだけの 意味の無い一日が
ずっと繋がっていって どうにか今日にたどり着いた
過去と未来を分かつ隙間に ようやく懸け橋がかかって
長い間立ち止まっていた僕も 日々を超えてゆく

超えてゆく


JUGEMテーマ:
【Laplace】
ラプラス

四角い部屋に閉じこもって ディスプレイの課題も
そっちのけにして ただ空を眺めてたこともあったな
分厚い雲の向こうに 存在するであろう青を探して
僕らが向かうべき未来に 思いをはせながら

今の僕らがいるのは あの頃は未来と呼んでいた
どんな景色だい? 予想通りだったかい?


雨が降ると時々思い出す あの雨の街での出来事を
それは全部が全部 輝かしいものばかりではなく
思い出したくない 胸が痛むものもあったけど
そんな日々が続いて ここまで来れたってこと

僕らのこれからの未来はどんな曲線を描くだろう?
僕らが出会える確率はどれくらいだろう?


シュレッダーに刻まれた数式たちに黙祷を
僕らの命を救ったコピー機にMVPを
今は亡きカレー屋にさようならを
君がいる未来にエールを送る
【I wanna enter TV】
テレビの中

子供の頃の私の口癖は 「テレビの中に入りたい!」だった
華やかな舞台の上で 踊って歌うアイドルに憧れて
親戚の前で物まね 未来のスターの誕生ね!って
皆が褒めてくれた 私はすっかりその気になった

物心がついた頃 私は生まれた街を飛び出して
憧れの都会へと出てきた 小さなアパートが私のお城
演技の稽古に歌のレッスン 空いた時間はアルバイト
くたくたに疲れる毎日 だけど全然苦しくなかった

いつか叶う夢の為なんだもの 何にも苦しくなんてない
私は未来のスターなんだ その言葉だけを信じてた


今日もオーディションに落ちた バイト中に電話をもらった
でも悲しんでもいられない 次があるからって言い聞かす
だけども次もダメだった その次もその次もずっとダメだった
重なってゆく落選通知に 次第に笑顔が消えていった

私は選ばれない人間? 未来のスターじゃなかったんだ
途方に暮れて歩いていた 都会の夜はいつまでも明るい
歓楽街の入口で どこかのエライ人に声をかけられた
俗に言うスカウトだった 選ばれたことが嬉しくて

私はカメラの前で裸になり なまめかしいポーズをとる
一斉にフラッシュが焚かれ 私の姿が切り取られる
エライ人は言う 「みんなやっていることなんだよ」って
いつか叶う夢の為に いつだって信じようとしてた


私の体に宿っている この心は一体誰のもの?
知らない間に 違う誰かにすり変わっていない?
手首を切って確かめた 一応まだ血は赤かった
私は間違っていない 間違っていないんだって

誰か言って。
ねぇ、誰か言って。




ビデオカメラの前で裸になり 裸の男に跨がって
泣き声みたいに喘ぎながら 腰を振り続けた
テレビの前で男達は いっせーのででズボン下ろす
私は何度も言い聞かす いつまでも同じ言葉を



いつか叶う夢のためいつか叶うユメのため
いつか叶うユメのタメいつかカナうユメのタメ
イつかカナうユメのタメイツかカナうユメノタメ
イツかカナウユメノタメ…


「イツカカナウユメノタメ?」



 

今日もひとり目を閉じる 小さなお城のベッドに倒れ込み
頭の中で響く歌 なんだか大事なものだった気がする
だけどどんな名前だったか もうなんにも思い出せない
もう眠らなくちゃ明日も 私はテレビの中に入りに行く
 

JUGEMテーマ:
【around】


アラウンド

舞い散った桜の花びらは
行き交う人込みの足元に降り積もって
ぐちゃぐちゃに踏んづけられて
きっとその内忘れ去られるんだろう
いつかの四月に嘘をついた
大馬鹿者は無理だと笑われ続けて
今じゃ誰も覚えていないのに
平気な顔してまた同じことを言い続ける

ようやく果てにたどり着き
そこで死んでしまうつもりだった
冒険者は失望した
ある時ついに知ってしまったんだよ
この世界は真ん丸で
どこまで行っても果てなどないことを
この場所はいつだって
途中の風景にしか過ぎないことを

日々は進んでいるんじゃなくて
きっと巡っているものなんだろう
同じ風の匂いがした気がした
ここにあるのはあの日と同じ空気だろうか
時を越えて歩いてきたはずが
私はかつての私が放った言葉に出会った
そうやって何度もここに戻ってきては
同じ言葉に何度も出会うだろう

花散らしの雨が降り注いで
踏んづけられた桜の花びらは
細く頼りない川に流れて
またちゃんと新しい旅に出たんだ
私はその花びらの一片に
こっそりと小さな願い事を乗っけて
沈まずちゃんと最後の海まで
届きますようにと見送った
【sheep】


羊が1匹 最初の一匹が囲いの中へと
羊が2匹 友達増えたねよかったね
羊が3匹 仲良く走り回っている
羊が4匹 むしゃむしゃ草を食べている



羊が10匹 風が草原を駆け抜けると
羊が11匹 声を合わせて鳴いている
羊が12匹 頭の中の長閑な風景
羊が13匹 いいぞ順調だ眠れそうだ



羊が50匹 そう言えばなぜ羊なのか
羊が51匹 馬でも牛でもいいんじゃないか
羊が52匹 なんなら豚でもいい
羊が53匹 やばい何か気になってきた



羊が100匹 この辺までくれば
羊が101匹 2匹ずつぐらい一辺に
羊が102匹 数えてもばれないんじゃね?
羊が103匹 …いやいやズルはよくないな



羊が1000匹 囲いの中にぎゅうぎゅうに
羊が1001匹 押し込められているよ
羊が1002匹 それもこれも全部
羊が1003匹 お前のせいだと騒ぎ出した



羊が2000匹 そしてついに反乱が起きた
羊が2001匹 一斉に暴れ始めると
羊が2002匹 柵がメキメキと音を立てて
羊が2003匹 ついに崩壊した

羊たちは一斉に逃げ出した
我先に広い大地へと駆け出して
自由だ!と声高々に鳴いた
数合わせになるだけの人生はごめんだ!



失敗だ
檻が小さかったか
今度はもう少し広げて作ろう
なんなら頑丈な作りにしよう



羊が1匹 最初の一匹が囲いの中へと
羊が2匹 友達増えたねよかったね
羊が3匹 仲良く走り回っている
羊が4匹 むしゃむしゃ草を食べている



羊が10匹 風が草原を駆け抜けると
羊が11匹 声を合わせて鳴いている
羊が12匹 頭の中の長閑な風景
羊が13匹 いいぞ順調だ眠れそうだ…